2007.11.29 13:59

   ハイリスターンのドラマ

知らなかったじゃ済まないんだよ

“ドラマ”は君のアンビシャスの産物だろう

安直なのは感動が薄いし

  ・・・でも手っ取り早く完結出来るし

見栄えがよけりゃリスクは大きいし

  ・・・しかし飛び切り華やかな終演を迎えられるかもしれないし

いずれにしろ君の全てはこの“ドラマ”に掛かってるし

人生ったってそれしかないだろうし

まあじっくりと練って

分相応の内の最高のものに仕上げないとね

                 ——

くどいけど知らないじゃ始まらないよ

泣き言こいても後の祭りだよ

“ト゜ラマ”は君の夢見る筋書だろう

この世で作れるたった一度こっきりの作品だよ

場末の芝居小屋の一幕物でもいいし

  ・・・ドタバタ演じてれば結構面白いし

気張ってメジャーな舞台でブランド物なんてのも心躍るだろうし

  ・・・万雷の拍手とくればしてやったりとほくそ笑めるし

とにもかくにも君にとっちゃ

“ドラマ”生出演なんてそれっきりのことだろうし

じっくり捏ねてさ

後は一か八かの一発勝負に賭けるしかないよ

            ——

一世一代の君の“ドラマ”だし

最後の最後まで自作自演を通すしかないし

知らなかったなんて言わせないよ

恨みっこなしの一回こっきり

幕間のパントマイムでも文句言われる筋合いはないし

  ・・・ローリスクでローリターンでも

      ちょっぴり祝杯くらいは上げられるだろうし

大団円のパフォーマンスとくれば面目躍如だろうし

   ・・・こいつはハイリスクでもハイリターンとくれば

       歓喜の昇天ものだろうし

どのみちこの“ドラマ”ってやつ

ローリスターンだろうがハイリスターンだろうが

所詮は自己満足の大きい小さい

他人のまったく与り知らぬ一人相撲の世界なんだ

(によろご)

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2007.11.27 17:00

   徒歩ゼロ分

そこまでは

ほんの徒歩ゼロ分なんた

直ぐに通り過ぎて 旅はそこからさ

   だからって君 君

   くれぐれも用心したがいい

   そうしてほんの一またぎしたが最後さ

   いよいよ本格的な旅の始まりなんだから

   甘く考えちゃいかん

 一歩踏み出すだろう

 徒歩ゼロを越えたその瞬間に 君

 もう二度と引き返せなくなる

 取り返しが付かなくなる

 

君 君 君ったら

誘われても

気楽にのこのこ行くんじゃないよ

徒歩ゼロ分が本格的な旅のスタートライン

その瞬間に果てしのない空間に放り出される

その旅にはもう終わりがないんだ

君に会いたくても不可能ときた

それどころか君を思い出すのさえもう容易じゃなくなる

たちまち君のことなんかすっかり忘れる

行方知れずじゃね・・・

(にないさ)

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2007.11.15 19:30

   エピソード



今日も聞かせて・・・なんて言わん


アナタのお話の中にしか・・・なんて言わん


そこに神々しいお姿まで彷彿と・・・なんて言わん


示唆に富んだ苦難の生い立ち・・・なんて言わん


比喩に満ちた奇跡の数々・・・なんて言わん


含蓄ある教えを・・・なんて言わん



今日も会わせて・・・とも言わん


アナタの言葉の一つ一つにしか神は・・・とも言わん


アナタの内にしか神は・・・とも言わん


あの虚仮威しの壮大なテンプルにも・・・とも言わん


度肝抜く豪華絢爛たるチャペルにも・・・とも言わん


建造物の中を探しても神はいない・・・とも言わん


ただ神は


 アナタの語るエピソードの中にだけ・・・とも言わん


(さごくく)

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2007.11.12 19:52

   誕生秘話


 


・・・口を滑らせても


ワタシが神をこしらえたのは内緒です


 


    内緒がダメでも


    痩身に頬のこけた髭面までワタシそっくりに似せて作ったのは


    口が裂けても洩らさないで下さい


 


洩らしても


思慮分別から喜怒哀楽


互換の全てまで人間並なのはあからさまにしないで下さい


 


  あからさまにしても


  精神構造から肝心要の魂までワタシ似なのは極秘です


 


極秘もままならぬなら


せめて思想から哲学までワタシそのものなのは


どうかばらさないで下さい


 


    ばらしたとしても


    ドモリ癖からシャイな性格などと何から何まで


    ワタシと瓜二つなのは明かさないで下さい


 


明かしたとしても


要するにワタシそのものだなんて


間違っても話さないで下さい


 


  話したとしても


  だからこしらえものの神は


  ワタシが死ねば一緒に潰えるなんて


  けして言わないで下さい


 


言ったとしても


後は野となれ山となれ


なんて本音は暴露しないで下さい


 


暴露しても


それを取り繕う殊勝なのがいて


ワタシまでも神に祭り上げてくれるだろう


なんてあらぬ予想まで立てないで下さい


(よにさ)


 


 

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2007.11.10 17:48

   アンケートなぶるな神



スパンコールで着飾ったド派手なミューズでなくっちゃだって?


神も衣装よ  それでカラオケくらい歌わなくっちゃ



  なになにスリップ姿のスリムもいいって?


  わくわくさせなきゃ神様じゃないか



シャイでイケメンのゴッドに限るって?


どうせカネと力はないんだもん



  オシャベリなウイッチがいいか?


  そんなに人生 退屈してんだ



ほうー 寡黙なサターンが望みねえ?


だからメチャ神秘のベールが剥がれっぱなしさ



  ワーキングブアみたいな清貧なのはご免か?


  やっぱり神も超リッチなの でなきゃ恵みは望めまいに



レトロな神様はリストラだって?


全身メッキの金ピカなんだろう


(さぜさに)


 

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2007.11.07 14:08

   対座



ということだろう


自らを神と称した人と


神の代理人と唱えた人と


そのどちらかなのに


どっちも真に受けた者達と・・・



神を見た人と


“神を見た”と称する人と


  神の声を聞いた人と


  その“神の声”を聞いたと称する人と


どちらかなのに


それを一緒くたにして信じた者達と・・・



ようするにこうだろう


神の存在を信じる人と


“神の存在”を信じる人ばかりと思い込んだ者達と・・・



道を熱く説いた人と


神とは何かを説いた人と


どちらかなのに


それに分け隔て無く感銘した者達と・・・



信仰を捨てた人と


神に疑心暗鬼の人と


どっちもどっちもと


それを早とちりする粗忽者達と・・・


(さよぜろ)


 


 


 

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2007.11.06 19:03

   ハクション



いいか


嵐が木々を薙ぎ倒す日は


ハクションとクシャミしたんだと思え


土石流が田畑や町を土砂で埋めたら


とんだご機嫌斜めだと思え


理不尽を嘆いても始まらないよ


ずっとずっと神世の昔からの習いだと思え


あの方達は今も寄るとさわると


ああでもないこうでもない


誉めてみたりけなしてみたり


埒が明かない“人評会”ばかり


いいか


悪寒がするならそれこそ要注意だと思え


間違いなくキミが俎板の上だと思え


風の噂に悪評が届いたのだろう


キミの扱いで大いに揉めてる最中だろうさ


今更よい子ぶってももう遅いよ


だから精々


運のほどはあの方に任せて


キミまで風邪など引かないことだよ


たわいない“神評会”などお止しよ


それこそあの方達の身体に一番毒なんだから


この頃それが神経に障って


  気の休まる日がありゃしないんだから・・・


(ににごに)

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2007.11.05 18:27

   臨界点の神と人



冷たい人の目に晒されて


神々はすっかり漂白された


いじけて萎縮して ひがみっぽく矮小化して


地表近くまで落ちぶれ果てて


移り住むから



人はつけあがる


慢心して増長して もう舞い上がるばかり


どこまでも神を追い掛けて這い登る


天にも近くに辿り着いて


居座るから



臨界点で


神はとことん冷却されて雨滴になる


人はとてつもなく沸騰して蒸発してしまう


〈にににに〉


 


 


 

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2007.11.04 17:54

   はあーやれやれ



ありったけを出し切った!


すっからかん


はあーやれやれ


夢だった


のに・・・だーらだら・・・ありもせぬもの


未だにだーらり



さあーどっこいしょ


そうざらいしてぶちまけた!


すってんてん


憧れだった


のに・・・ちんたらちんたら・・・ロクでもないもの


まだちびりちびってる



してのけたあー


もう鼻血も出ない!


からっれつ


やあーラッキー


望みだった


のに・・・カビにダニにシロアリごろごろ・・・すれっからし


未だしょってるしょってる


〈にいごろ〉


 

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2007.11.03 14:04

   リビングウイル



・・・で つくづくいやな性分だと思う


森を見るだろう 森の深みが幽玄だろう


森が永住の地に見えてくるだろう


木漏れ日の遊ぶ茂みに潜り込むだろう


睡眠薬を呷るだろう それで永眠出来るだろう


やがて枝葉削いだ枯木のよう


骨やら皮だけになって きっと蛇の脱け殻のよう


そんなの 勘弁だろう いやになるだろう


取って返すさ 壁からさ


しょぼくれたリビングウイルを引っぱがすさ



・・・で やたら重傷だろう


湖を眺めるだろう 湖面の碧が深遠だろう


ゆらめく湖水の深みに安住の園が見透かせるだろう


そのまま潜って冷たい水をタップリ食らうだろう


そのうち川底に沈んだ魚影のよう


やおら務めを終えた鮭や鱒のよう


ムクロさらして プカリプカリだろう


なんて ご免被るだろう たまんないだろう


慌てて戻るさ 封筒から抜き出してさ


しょぼたれたリビングフイルは焼いちまうさ



・・・で もう


  ほとんどノイローゼ気味だろう


街に遊ぶだろう ネオンがなんとも妖艶だろう


フラフラ紅灯の巷だろう すっかり酔いどれだろう


飲み屋の路地裏だろう 溝に片足突っ込んでるだろう


ひっくりかえって高鼾だろう


そしてふいと魂が抜けてくだろう


もぬけの殻のナキガラだろう


さながら野垂れ死にした犬猫のようだろう


そんなの 願い下げだ ああいやだ


とんぼ返りさ ウエッブからさ


  しょぼしょぼのリビングウイルの一掃さ


〈さにはこ〉


 


 

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2007.11.01 14:41

   幸不幸



例えば 町でさ ゴッツンコしたりして


例えば死神とよ 会ったとしてもさ


運良く気が付かなければ


擦れ違うだけ もっけの幸いってやつ


例えばそれって 幸せだろう


不運なんてさ 知らないでいりゃあ


そんなもん



例えば


野原で


バッタリなんてさ


例えばそれがさ 女神だったとしても


運悪く気が付かなければ


そのまま擦れ違い もったいない話しだねえ


これってさ 不幸だよな


幸運だって とっつかまえなきゃ


そんなもんさ


そんなもん


(にろにご)


 

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